日々の出来事や調べ物に関するネタを備忘録(Memorandum)として残していくBlogです。

映画「猿の惑星 聖戦記」を観てきた

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こちらの作品はあの「ラストのオチ」が有名過ぎる1968年版「猿の惑星」及びそのシリーズの3部作のうちの完結編?となるのですが、実はこのシリーズ、1968年版を含めてほぼ未見なのでありました...。(創世記はどこかでちょろっと観た記憶がある)

"聖戦記"を観るに当たり、さすがに全くの予習無しでは存分に楽しめないであろうと思い1968年版「猿の惑星」、及びリブート作品の「創世記」「新世紀」をAmazonプライムで予習視聴して臨みました。

  • 1968年版:
    • 宇宙旅行の描写がアレだけど/脱出シーンの稚拙さ等々目につくところはあるけれど言うても約50年前(!)になる訳だしなぁ。
    • 「猿が英語喋っとるやん?アレ?ならば...」という突っ込みは当時の観客も思ったりしたのだろうか
    • 喋れなくなる/喋れるようになるのくだりは巧いといえば巧い
    • 終盤砂浜のシーンが出てくると「お、いよいよか?」となったが、そこからラストへ繋がるシーンは色々と興味深い。大オチを知らずに観ていた当時の観客も「いや...まさかな...そんな(ここが地球な)訳無いよな...でももしかしたら...」と観ながら思ったりしたのだろうか。
    • そして終盤。波の音をバックにエンドロールが流れているのが何とも言えず良い。


  • 創世記:
    • 上述の通り、過去1回どこかで観た記憶があるがそこまで強い印象は無かったような。
    • 1968年版を観た後にこれを観た。"原典"をオマージュしている箇所がそこかしこに散りばめられていて観ながらニヤニヤさせられた。
    • 「窓」をシンボル的に使っているところは見せ方が非常に巧く、グッと来た。
    • 「シネマハスラー」で宇多丸氏が突っ込んでもいたけれど、確かに人間側が若干ボンクラ感があったのは否めないw 結局のところ、未来に起こる"悲劇"の要因となったのは人間の所業だった訳だしね。
    • あの"お隣さん家"も彼等目線からしたら不憫っちゃぁ不憫。人間絶滅の切っ掛けにもさせられちゃったし。
    • この作品も1968年版同様、バッドエンディングですよねぇ。でもなるべくしてなった感があるので後味の悪さ的なものは無い。


  • 新世紀:
    • 前作から10年後のお話。サンフランシスコの街並み(廃墟感あるけど)が出てくるので"続き"感は強い。
    • シーザーのオトコマエ感よ...
    • エイプ側も人間側も、それぞれの立場から見ればいずれも「正義」である事が切なさを一層強くさせている...
    • でも争っちゃうのよね...
    • コバも悪く描かれているけど、コバ目線から見ると彼もまたそうなった理由があり、一概に責めきれない部分もあるような気がする
    • ウィルの家のくだりはヤバイね
    • シーザーも段々と暗黒面と言うか、コバ側に落ちていきそうな雰囲気があって切ない(まだ踏み留まっている感はあるが)


そして聖戦記。

以下感想など。

  • オープニング、20世紀フォックスのアレが「猿の惑星」仕様になってた!芸が細かい。
  • エイプのCG描写は作品を重ねる毎に凄いことになってきているなぁ...シーザーの表情とかもう渋すぎてヤバい。
  • 親子(シーザー&ブルーアイズ)の抱擁シーンが人間臭すぎてw
  • そしてシーザーの英語も流暢に。このシリーズ観て「エイプですら英語を話すのに俺としたことが何で(英語を)喋れないんだろう、という若干アレな感想を抱いたのは内緒。
  • 暗闇での戦闘シーンが画的に良かった。
  • エイプ目線で描かれているというのもあるが、「人間この野郎」という思わざるを得ないシーン多数。
  • 大佐軍の陣地に攻め入る時の「砂浜」シーンはやはり1作目を彷彿とさせる。描写もまた綺麗でした。
  • バッドエイプのキャラがGood。シリアス一辺倒になってしまっている作品の雰囲気を適度に和ませる良い薬でした。終盤もこのテンションでしたが、終盤は終盤でバッドエイプのキャラがこういうのだけあって余計に「人間の行い」が愚行やなぁ...と見えてしまう気がしました。
  • 雪のシーンが突如出てきて「エッなぜ?」とも思ったが、最後まで観て納得。
    • あれだけ壮絶な戦いがあったのが、一瞬にして消え去ってしまう無常感。「うわぁ...(震え」という感じで切なさ満点で観てました。
  • 途中モロ奴隷制度な感じでドン引き。人間の愚かさというか「学んでないのか」と繰り返される歴史の描写にまた切なさが。
    • 大佐「仕事をさせろ、さもなくば..」→"仕事に戻る"シーンが切なくて泣ける
  • 大佐の冷酷さにも戦慄。
    • しかし大佐にもまた「そうなった」経緯があった。これは泣けた...大佐役の人の演技も素晴らしい。
    • 思えばこのシリーズ、真に責められるべき"悪役"というような人は居ないのよね(「創世記」のウィルや社長辺りはそもそもの発端を作った張本人的立場ではあるが)
  • ヒトが言葉を失う経緯についても説明が為される。
  • ノバ誕生の瞬間。1〜2作目のノバとは直接の関係は無いのだろうが、こういうオマージュは嬉しい。
  • 冒頭捕まって最後はウンコ投げつけられた後爆死したあの軍人?さんもまぁ災難といえば災難だったな。「創世記」の"お隣さん"然り。
    • 結局このヒトの「うっかり」でエイプ達は脱出し生き延びる事が出来たわけなのですが、エイプ達が戦争の勝敗に影響を及ぼしたかというとそういう風な描写でも無く、人間vs人間の戦いに一定の距離感を置いた様な描かれ方をしていたようにも思う。すごい俯瞰した見方というか。「火の鳥」的というか。
  • エイプ達が生還し、安住の地を求めて長征。そして辿り着いた湖のシーンもこれまた1作目オマージュ的な風景。そして終幕。1作目にループ的に繋がりそうな締めがまた素晴らしかった!

というわけで非常〜〜に楽しめた一作であり、シリーズでした。「聖戦記」を観るにあたって計3作品を予習した形となったのですが、これがとても良かったと思います。色々なオマージュがそこかしこに散りばめられていますし、1作目を観ておく事で過去シリーズとの繋がりも色々と想起出来る形となるのでオススメです!

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